【はじめに】
当たり前のことを当たり前にできないものに、明るい豊かな社会はつくれない。
我々は JC 活動を含めた日々の生活の中、当たり前のことを当たり前にできているでしょ
うか。世間の当たり前と我々の当たり前は大きく乖離していないでしょうか。ひとによって
当たり前の定義は違えど、組織としてのルールやマナーといった当たり前のことをしっか
りと理解し、徹底していかなければなりません。
また我々は奉仕、修練、友情の三信条をもって変革を起こしていく組織です。計画なきも
のに行動はなく、行動なきものに成功はなく、成否に関わらず振り返りのないものに発展と
成長はありません。橿原青年会議所は日々の生活の中においても品格ある青年が活動して
いる組織であることを自覚し、変革を起こす組織となっていかなければなりません。メンバ
ーそれぞれが多角的な視点をもち、当たり前のレベルをさらに高めていくことで組織は強
くなり発展していきます。一年ごとに役割が代わる青年会議所だからこそ、我々は次代がよ
り高い視座をもつよう導いていく必要があります。
【目指すべき組織】
全国的に青年会議所が会員減少に悩む中、会員拡大が好走しているのはメンバーの努力
はもちろんのこと、先輩諸兄姉や我々と関わる諸団体、各市町村からのご理解とご協力があ
ってのことです。会員の拡大は大きな規模の事業をできるということだけでなく、より多角
的な視点で多くの議論を生むことができます。しかし、JC というものを知らずに活動の議
論をすることは困難です。拡大を推進すると共に新たに入会されるメンバーに我々の理念
や活動をしっかりと伝え、活動の楽しさや達成感を得てもらうことが大切です。JCI Mission
に示されるように、我々はリーダーシップの開発と成長の機会を提供することが求められ
ます。メンバー一人ひとりが地域をけん引するリーダーとなるため、多様性を受け入れ、輝
く個性が活き活きと調和し、個人では成しえない変革を生み出す人財へと成長していきま
す。そうして、我々が生み出す一つひとつの活動が新しい価値を創造する組織をつくってい
きます。
【組織としてのひとづくり】
「あなたに出会えて良かった」と思われるひとになりましょう。我々が今こうして活動で
きるのは家族や職場、関係する様々な方からのご理解とご協力があるからです。当たり前の
ように活動できている今に感謝し、周りの全てのひとに感謝しましょう。一人だけでは運動
を起こしにくいからこそ組織があり、組織はひとを育てる機会を提供します。
楽しいと思う運動だけではなく、変革の起点となる運動をつくりましょう。自分の限界よ
り少し背伸びをして主体的に運動することが自身を成長させます。組織が行う活動はひと
によって成り立ち、ひとは様々な背景をもつひとたちによって支えられています。
我々はメンバー一人ひとりの背景に理解を示し、運動しやすい環境をつくることで組織
は活性化します。各ステージでの経験がひとの可能性と見分を広げ、視座を高めていけます。
【ひとと地域を繋ぐまちづくり】
より良いまちづくり運動とはどのようなものでしょうか。事業の当日だけがまちづくり
運動でしょうか。職人の世界には段取り八分という言葉があります。なにを行うにも準備が
大事という意味であり、準備には目的と目標を最初からしっかり定めていくことが大切で
す。目的と目標が明確な運動は行政、企業、地域の人々と一体となった運動を構築できます。
練習は本番のごとく、本番は練習のごとく。準備が全て、準備で決まる。
我々の運動がひとによって支えられているならば、まずはひとを集めなければなりませ
ん。ひとを集めるためには共感が必要であり、共感を生むには運動の構築からしっかり準備
し、それを広く伝播していくことが大切です。
それぞれの立場や考え方があるひとたちを巻き込むためには細部まで配慮された構築が
重要であり、その細部を一つひとつ積み重ねることが組織への信頼となっていきます。そし
て、組織への信頼が相互の協力を堅固にし、次代に繋がるまちづくりとなります。
【「想い」を伝播する奈良ブロック協議会との協働】
青年会議所は「想い」を大切にします。知識や経験、実績によって行動すればものごとは
成功しやすいかもしれません。しかし、青年会議所は変革の団体であり、JCI Creed に示さ
れるように我々は人生に意義と目的を与えます。「相対的」な知識や経験、実績だけが人生
に意義と目的を与えるのではなく、「絶対的」な想いがより人生に意義と目的を与え、変革
への運動を起こす起点となり、メンバーの理解を得られます。我々は同じ理念をもつ各地青
年会議所メンバーと共に主管 LOM としての「想い」を共有し、運動を広く伝播することで、
対外にも広く認知してもらい、今後の事業構築の協力依頼を円滑に進め、青年会議所メンバ
ーになりたいひとを増やすことができます。
青年会議所しかなかった時代から青年会議所もある時代といわれる今だからこそ、青年
会議所にしかない理念と強み、そして魅力を我々自身が深く理解し、運動を行うことが大切
です。「あたたかみ」溢れる地域の魅力を理解している橿原青年会議所メンバーは役割を超
えて相互に助け合い、奈良ブロック協議会と協働することで、地域を牽引する人財を育成し
ていきます。
【共感を生む広報戦略 】
向き不向きより前向き。組織の運動を全員が自分ごととして発信できているでしょうか。
どこかでだれかがやってくれる、慣れていないから関わらない、どうせ多くの情報に埋もれ
て地域のひとには伝わらないと思っていないでしょうか。メンバー一人ひとりが組織の一
員として、全ての運動を自分ごととして捉えて発信していくことが大切です。現在は多くの
情報が発信されるようになったことで、少しでも注目を集めるためだけにマナー違反の動
画や過激で誤った情報も発信され社会問題となっています。注目されることだけを目的と
するのではなく、我々の理念や運動に共感してもらい、多くの方に協力、連携してもらえる
ファンを増やす情報発信が大切です。運動がなぜ構築され、どのような目的で実施されるの
か、その後どうなったのかを発信し続けることで我々の活動の本質を理解してもらえるフ
ァンを増やし、その中から共に活動してくれる仲間をつくっていきましょう。運動も発信も
全員で一つの目的に向かう時、大きな力となって変革を起こすことができます。
【生涯の仲間づくり】
仲間とはどういうものでしょうか。橿原青年会議所は仲良し同士が集まる集団だけでは
なく、同じ目的をもって活動する組織です。我々は自身に足りないものがあるからこそ組織
が必要であり、互いに助け合い、認め合うことができます。だからこそ足りないこと、でき
ないことを恥ずかしく思うのではなく、当たり前のように足りない部分を補い合える仲間
をつくっていきましょう。役職に関わらず常に謙虚であり、日々自身を振り返ることが仲間
づくりの第一歩です。
仲間づくりをしていく中で、助け合うことや時に意見が対立して本気でぶつかりあう時
もあるかもしれません。しかし、本気でぶつかりあうというのは、相手の考えを否定してい
るのではなく、自分の本音を伝えるということであり、伝えるひとは相手に伝わるよう工夫
しなければなりません。本音で語り合い、足りない部分を補い合えるひと同士となった時、
互いになくてはならない存在となり、生涯の仲間となります。
【夢溢れる青少年の育成 】
皆さんの周りの子ども達は夢を語れていますか。やりたいことや興味のあることが見つ
からないと嘆いていませんか。子は親の鏡というように、まずは我々大人が夢を語り、実現
に向けて諦めず努力する背中を示すことが大切です。
全てのひとは必ず小さい頃を経験しています。小さい頃はどんな新しいものにも興味を
もち、やりたいことがあれば駄々をこねてでもやりたがり、やれば夢中になって取り組んだ
と思います。そうであれば、小さい頃からやりたいことの諦め方を知っているひとは、一人
もいないのではないでしょうか。
しかし、多くのひとが大人になっていく中で夢を諦めてしまっているのなら、原因は「失
敗をマイナス」だと思ったからかもしれません。我々大人が教えるべきことは失敗の避け方
や責任を逃れるための手法を教えることではなく、夢に向かって諦めず努力し、諦めなけれ
ば実現できるということではないでしょうか。諦めず努力することに知識や経験は必要あ
りません。なんとしてもやり遂げるという強い意志が夢を実現させます。失敗しても成長の
糧となることや成長する喜びを伝えていきましょう。我々は次代の子どもたちのだれもが
自分の夢を語り、夢溢れる社会をつくっていきます。